背景.肺過誤腫は肺の良性腫瘍のΦでは頻度が高い腫瘍であるが,そのほとんどが肺実質型であり,気管支型は比較的まれである.我々は,高周波スネアにて経気管支的に切除,診断,治療した気管支内過誤腫の1例を経験した.症例.症例は61歳の男性.喀血にて当センターに紹介入院した.胸部CTにて右上葉気管支を閉塞する腫瘍と右B^3の気管支拡張を認めた.気管支鏡にて右上葉支口を閉塞する表面平滑な有茎性の白色ポリープとその末梢からの出血を認めた.気管支内のポリープに対して高周波スネアにて経気管支的に切除した.摘出標本の病理にて気管支内過誤腫と診断した.切除1ヶ月後の気管支鏡では切除断端は搬痕化し,腫瘍の残存は認めなかった.結論.有茎性の気管支内過誤腫は,経気管支的アプローチにより診断および治癒が可能であると考えた.

• 水野 幸太郎 , 深井 一郎 , 矢野 智紀 , 小林 昌玄 , 藤井 義敬

  参考文献9件 被引用文献1件