[00:31.25]夜の运河を滑るようだね
[00:44.11]远くの都会を探していたよ
[00:56.97]何も言ずに行かせて欲しい
[02:32.83]君のいつもの微笑见せて
作者:夏目漱石 来源:青空文库 00:05
床の間の前に碁盤を中に
「ただはやらない。負けた方が何か
「そんな事をすると、せっかくの
「また来たねそんな仙骨を相手にしちゃ少々骨が折れ過ぎる。
「
「無線の電信をかけかね」
「君が白を持つのかい」
「どっちでも構わない」
「さすがに仙人だけあって
「黒から打つのが法則だよ」
「なるほど。しからば
「定石にそんなのはないよ」
「なくっても構わない新奇発明の定石だ」
吾輩は世間が狭いから碁盤と云うものは近来になって始めて拝見したのだが、考えれば考えるほど妙に出来ている。広くもない四角な板を狭苦しく四角に仕切って、目が
「迷亭君、君の碁は乱暴だよ。そんな所へ
「禅坊主の碁にはこんな法はないかも知れないが、
「しかし死ぬばかりだぜ」
「臣死をだも辞せず、いわんや
「そうおいでになったと、よろしい薫風
「おや、ついだのは、さすがにえらいまさか、つぐ
「どうするも、こうするもないさ一剣天に
「やや、大変大変そこを切られちゃ死んでしまう。おい
「それだから、さっきから云わん事じゃない。こうなってるところへは
「這入って失敬
「ついでにその隣りのも引き揚げて見てくれたまえ」
「ずうずうしいぜ、おい」
「Do you see the boy か。――なに君と僕の間柄じゃないかそんな水臭い事を言わずに、引き揚げてくれたまえな。死ぬか生きるかと云う場合だしばらく、しばらくって
「そんな事は僕は知らんよ」
「知らなくってもいいから、ちょっとどけたまえ」
「君さっきから、六
「記憶のいい男だな。
「しかしこの石でも殺さなければ、僕の方は少し負けになりそうだから……」
「君は最初から負けても構わない流じゃないか」
「僕は負けても構わないが、君には勝たしたくない」
「飛んだ悟道だ。相変らず
「春風影裏じゃない、電光影裏だよ君のは
「ハハハハもうたいてい
「
「アーメン」と迷亭先生今度はまるで関係のない方面へぴしゃりと
床の間の前で迷亭君と独仙君が一生懸命に
この鰹節の
「実は四日ばかり前に国から帰って来たのですが、いろいろ用事があって、方々
「そう急いでくるには及ばないさ」と主人は例のごとく
「急いで来んでもいいのですけれども、このおみやげを早く
「ええ、国の名産です」
「名産だって東京にもそんなのは有りそうだぜ」と主人は一番大きな奴を一本取り上げて、鼻の先へ持って行って
「かいだって、鰹節の
「少し大きいのが名産たる
「まあ食べて御覧なさい」
「食べる事はどうせ食べるが、こいつは何だか先が欠けてるじゃないか」
「それだから早く持って来ないと心配だと云うのです」
「なぜって、そりゃ
「そいつは危険だ。
「なに大丈夫、そのくらいかじったって害はありません」
「全体どこで
「船の中 どうして」
「入れる所がなかったから、ヴァイオリンといっしょに袋のなかへ入れて、船へ乗ったら、その晩にやられました。
「そそっかしい鼠だね船の中に住んでると、そう
「なに鼠だから、どこに住んでてもそそっかしいのでしょうだから下宿へ持って来てもまたやられそうでね。
「少しきたないようだぜ」
「だから食べる時にはちょっとお洗いなさい」
「ちょっとくらいじゃ奇麗にゃなりそうもない」
「それじゃ
「ヴァイオリンも抱いて寝たのかい」
「ヴァイオリンは大き過ぎるから抱いて寝る訳には行かないんですが……」と云いかけると
「なんだって ヴァイオリンを抱いて寝たって? それは風流だ行く春や重たき
東風君は真面目で「新体詩は俳句と違ってそう急には出来ません。しかし出来た暁にはもう少し
「そうかね、
「そんな無駄口を
「勝ちたくても、負けたくても、相手が
「今度は君の番だよこっちで待ってるんだ」と云い放った。
「え もう打ったのかい」
「打ったとも、とうに打ったさ」
「この白をはすに延ばした」
「なあるほど。この白をはすに延ばして負けにけりか、そんならこっちはと――こっちは――こっちはこっちはとて暮れにけりと、どうもいい手がないね君もう一返打たしてやるから勝手なところへ
「そんな碁があるものか」
「そんな碁があるものかなら打ちましょう。――それじゃこのかど地面へちょっと曲がって置くかな――寒朤君、君のヴァイオリンはあんまり安いから鼠が馬鹿にして
「どうか願います。ついでにお払いの方も願いたいもので」
「そんな古いものが役に立つものか」と何にも知らない主人は
「君は人間の
「君のようなせわしない男と碁を打つのは苦痛だよ考える暇も何もありゃしない。仕方がないから、ここへ
「おやおや、とうとう生かしてしまった惜しい事をしたね。まさかそこへは打つまいと思って、いささか駄弁を
「当り前さ君のは打つのじゃない。ごまかすのだ」
「それが本因坊流、金田流、当世紳士鋶さ――おい苦沙弥先生、さすがに独仙君は鎌倉へ行って万年漬を食っただけあって、物に動じないね。どうも敬々服々だ碁はまずいが、度胸は
「だから君のような度胸のない男は、少し真似をするがいい」と主人が
「君はヴァイオリンをいつ頃から始めたのかい。僕も少し習おうと思うのだが、よっぽどむずかしいものだそうだね」と東風君が寒月君に聞いている
「うむ、一と通りなら誰にでも出来るさ」
「同じ芸術だから
「いいだろう。君ならきっと上手になるよ」
「君はいつ頃から始めたのかね」
「高等学校時代さ――先生
「いいえ、まだ聞かない」
「高等学校時代に先生でもあってやり出したのかい」
「なあに先生も何もありゃしない。独習さ」
「独習なら天才と限った事もなかろう」と寒月君はつんとする天才と云われてつんとするのは寒月君だけだろう。
「そりゃ、どうでもいいが、どう云う風に独習したのかちょっと聞かしたまえ参考にしたいから」
「話してもいい。先生話しましょうかね」
「今では若い人がヴァイオリンの箱をさげて、よく往来などをあるいておりますが、その時分は高等学校生で西洋の音楽などをやったものはほとんどなかったのですことに私のおった学校は
「何だか面白い話が向うで始まったようだ獨仙君いい加減に切り上げようじゃないか」
「まだ片づかない所が二三箇所ある」
「あってもいい。大概な所なら、君に進上する」
「そう云ったって、貰う訳にも行かない」
「禅学者にも似合わん
「そんな事はありません」
「でも、
「まさか。だれがそんな事を云いました」
「だれでもいいよそうして弁当には偉大なる握り飯を一個、
「質朴剛健でたのもしい気風だ」
「まだたのもしい事がある。あすこには
「うむ、そりゃそれでいいが、ここへ駄目を一つ入れなくちゃいけない」
「よろしい。駄目、駄目、駄目とそれで片づいた。――僕はその話を聞いて、実に驚いたねそんなところで君がヴァイオリンを独習したのは見上げたものだ。
「それじゃ今世紀のウェルテルさ――なに石を上げて勘定をしろ? やに
「しかし
「それじゃ君やってくれたまえ。僕は勘定所じゃない一代の才人ウェルテル君がヴァイオリンを習い出した逸話を聞かなくっちゃ、先祖へ済まないから失敬する」と席をはずして、寒月君の方へすり出して来た。独仙君は丹念に白石を取っては白の穴を
「土地柄がすでに土地柄だのに、私の国のものがまた非常に
「君の国の書生と来たら、本当に話せないね元来何だって、
「女もあの通り黒いのです」
「それでよく貰い手があるね」
「だって
「
「黒い方がいいだろう
「だって一国中ことごとく黒ければ、黒い方で
「ともかくも女は全然不必要な者だ」と主人が云うと、
「そんな事を云うと妻君が後でご機嫌がわるいぜ」と笑いながら迷亭先生が注意する
「小供を連れて、さっき出掛けた」
「どうれで静かだと思った。どこへ行ったのだい」
「どこだか分らない勝手に出てあるくのだ」
「そうして勝手に帰ってくるのかい」
「まあそうだ。君は独身でいいなあ」と云うと東風君は少々不平な顔をする寒月君はにやにやと笑う。迷亭君は
「
「ええ? ちょっと待った四六二十四、二十五、二十六、二十七と。狭いと思ったら、四十六
「君も妻君難だろうと云うのさ」
「アハハハハ別段難でもないさ。僕の
「そいつは少々失敬したそれでこそ独仙君だ」
「独仙君ばかりじゃありません。そんな例はいくらでもありますよ」と寒月君が天下の妻君に代ってちょっと弁護の労を取った
「僕も寒月君に賛成する。僕の考では人間が絶対の
「御名論だ。僕などはとうてい絶対の
「
「ともかくも我々未婚の青年は芸術の霊気にふれて向上の一路を開拓しなければ人生の意義が分からないですから、まず手始めにヴァイオリンでも習おうと思って寒月君にさっきから
「そうそう、ウェルテル君のヴァイオリン物語を拝聴するはずだったね。さあ話し給えもう邪魔はしないから」と迷亭君がようやく
「向上の一路はヴァイオリンなどで開ける者ではない。そんな
「へえ、そうかも知れませんが、やはり芸術は人間の
「捨てる訳に行かなければ、お望み通り僕のヴァイオリン談をして聞かせる事にしよう、で今話す通りの次第だから僕もヴァイオリンの稽古をはじめるまでには
「そうだろう
「いえ、ある事はあるんです金も前から用意して溜めたから
「狭い土地だから、買っておればすぐ見つかります。見つかれば、すぐ生意気だと云うので制裁を加えられます」
「天才は昔から迫害を加えられるものだからね」と東風君は
「また天才か、どうか天才呼ばわりだけは
「もっともだ」と評したのは迷亭で、「妙に
「そんな所にどうしてヴァイオリンがあるかが第一ご不審かも知れないですが、これは考えて見ると当り前の事ですなぜと云うとこの哋方でも女学校があって、女学校の生徒は課業として毎日ヴァイオリンを稽古しなければならないのですから、あるはずです。無論いいのはありませんただヴァイオリンと云う名が
「危険だね
「いやそのくらい感覚が鋭敏でなければ真の芸術家にはなれないですよ。どうしても天才肌だ」と東風君はいよいよ感心する
「ええ実際
「
「私が毎日毎日店頭を散歩しているうちにとうとうこの霊異な
「それが天才だよ。天才でなければ、そんなに思い込める訳のものじゃない
「乗らない方が仕合せだよ今でこそ平気で話すようなもののその時の苦しみはとうてい想像が出来るような種類のものではなかった。――それから先生とうとう奮発して買いました」
「ちょうど十一月の天長節の前の晩でした国のものは
「
「なるほど少し天才だね、こりゃ」と迷亭君も少々恐れ入った様子である。
「夜具の中から首を出していると、日暮れが
「何だい、その細長い影と云うのは」
「渋柿の皮を
「仕方がないから、
「うまかったかい」と主人は小供みたような事を聞く。
「うまいですよ、あの辺の柿はとうてい東京などじゃあの味はわかりませんね」
「柿はいいがそれから、どうしたい」と今度は東風君がきく。
「それからまたもぐって眼をふさいで、早く日が暮れればいいがと、ひそかに神仏に念じて見た約三四時間も立ったと思う頃、もうよかろうと、首を出すとあにはからんや烈しい秋の日は依然として六尺の障子を照らしてかんかんする、上の方に細長い影がかたまって、ふわふわする」
「
「やっぱりもとのところじゃないか」
「まあ先生そう
「いつまで行っても同じ事じゃないか」
「それから床を出て障子を開けて、
「また柿を食ったのかい。どうもいつまで行っても柿ばかり食ってて際限がないね」
「私もじれったくてね」
「君より聞いてる方がよっぽどじれったいぜ」
「先生はどうも
「聞く方も少しは困るよ」と東風君も
「そう諸君が御困りとある以上は仕方がない。たいていにして切り上げましょう要するに私は甘干しの柿を食ってはもぐり、もぐっては食い、とうとう
「みんな食ったら日も暮れたろう」
「ところがそう行かないので、私が最後の甘干しを食って、もうよかろうと首を出して見ると、相変らず烈しい秋の日が六尺の障子へ一面にあたって……」
「僕あ、もう御免だ。いつまで荇っても
「話す私も
「しかしそのくらい根気があればたいていの事業は
「いつ買う気だとおっしゃるが、晩になりさえすれば、すぐ買いに出掛けるつもりなのですただ残念な事には、いつ頭を出して見ても秋の日がかんかんしているものですから――いえその時の
「そうだろう、芸術家は本来多情多恨だから、泣いた事には同情するが、話はもっと早く進行させたいものだね」と東風君は人がいいから、どこまでも真面目で
「進行させたいのは山々だが、どうしても日が暮れてくれないものだから困るのさ」
「そう日が暮れなくちゃ聞く方も困るからやめよう」と主人がとうとう我慢がし切れなくなったと見えて云い出した
「やめちゃなお困ります。これからがいよいよ佳境に
「それじゃ聞くから、早く日が暮れた事にしたらよかろう」
「では、少しご無理なご注文ですが、先生の事ですから、
「それは好都合だ」と独仙君が澄まして述べられたので一同は思わずどっと噴き出した
「いよいよ
「人迹の稀なはあんまり
「学校まではたった四五丁です。元来学校からして寒村にあるんですから……」
「それじゃ学生はその辺にだいぶ宿をとってるんでしょう」と独仙君はなかなか承知しない
「ええ、たいていな百姓家には一人や二人は必ずいます」
「それで人迹稀なんですか」と正面攻撃を
「ええ学校がなかったら、全く人迹は稀ですよ……で当夜の服装と云うと、
「布哇は突飛だね」と迷亭君が云った。
「南郷街道をついに二丁来て、
「そんなにいろいろな町を通らなくてもいい要するにヴァイオリンを買ったのか、買わないのか」と主人がじれったそうに聞く。
「楽器のある店は
「なかなかでもいいから早く買うがいい」
「かしこまりましたそれで金善方へ来て見ると、店にはランプがかんかんともって……」
「またかんかんか、君のかんかんは一度や二度で済まないんだから
「いえ、今度のかんかんは、ほんの通り一返のかんかんですから、別段御心配には及びません……
「なかなか叙述がうまいや」と東風君がほめた。
「あれだなあのヴァイオリンだなと思うと、急に
「ふふん」と独仙君が鼻で笑った。
「思わず
「とうとう買ったかい」と主人がきく
「買おうと思いましたが、まてしばし、ここが
「なんだ、まだ買わないのかい。ヴァイオリン一梃でなかなか人を引っ張るじゃないか」
「引っ張る訳じゃないんですが、どうも、まだ買えないんですから仕方がありません」
「なぜって、まだ
「構わんじゃないか、人が二百や三百通ったって、君はよっぽど妙な男だ」と主人はぷんぷんしている
「ただの人なら千が二千でも構いませんがね、学校の生徒が腕まくりをして、大きなステッキを持って
「それじゃ、とうとう買わずにやめたんだね」と主人が念を押す。
「いえ、買ったのです」
「じれったい男だな買うなら早く買うさ。いやならいやでいいから、早くかたをつけたらよさそうなものだ」
「えへへへへ、世の中の事はそう、こっちの思うように
主人は面倒になったと見えて、ついと立って書斎へ
長い煙をふうと世の中へ遠慮なく吹き絀した寒月君は、やがて
「東風君、僕はその時こう思ったね。とうていこりゃ宵の口は駄目だ、と云って真夜中に来れば金善は寝てしまうからなお駄目だ何でも学校の生徒が散歩から帰りつくして、そうして金善がまだ寝ない時を見計らって来なければ、せっかくの計画が水泡に帰する。けれどもその時間をうまく見計うのがむずかしい」
「なるほどこりゃむずかしかろう」
「で僕はその時間をまあ十時頃と見積ったねそれで今から十時頃までどこかで暮さなければならない。うちへ帰って出直すのは大変だ友達のうちへ話しに行くのは何だか気が
「古人を待つ身につらき
「犬は残酷ですね。犬に比較された事はこれでもまだありませんよ」
「僕は何だか君の話をきくと、
「それから
「惜しい事にならないね――紺屋橋を渡り切って川添に東へ
「秋の夜長に川端で猋の遠吠をきくのはちょっと芝居がかりだね君は
「何かわるい事でもしたんですか」
「これからしようと云うところさ」
「
「人が認めない事をすれば、どんないい事をしても罪人さ、だから世の中に罪人ほどあてにならないものはない。
「それじゃ負けて罪人としておきましょう。罪人はいいですが十時にならないのには弱りました」
「もう一
寒月先生はにやにやと笑った。
「そう
この時主人はきたならしい本からちょっと眼をはずして、「おいもうヴァイオリンを買ったかい」と聞いた「これから買うところです」と東風君が答えると「まだ買わないのか、実に永いな」と
「思い切って飛び込んで、
「おいそんな安いヴァイオリンがあるのかいおもちゃじゃないか」
「みんな
「夜通しあるいていたようなものだね」と東風君が気の毒そうに云うと「やっと上がったやれやれ長い
「これからが聞きどころですよ今までは単に序幕です」
「まだあるのかい。こいつは容易な事じゃないたいていのものは君に逢っちゃ根気負けをするね」
「根気はとにかく、ここでやめちゃ仏作って魂入れずと一般ですから、もう少し話します」
「話すのは無論随意さ。聞く事は聞くよ」
「どうです苦沙弥先生も御聞きになってはもうヴァイオリンは買ってしまいましたよ。ええ先生」
「こん度はヴァイオリンを売るところかい売るところなんか聞かなくってもいい」
「まだ売るどこじゃありません」
「そんならなお聞かなくてもいい」
「どうも困るな、東風君、君だけだね、熱心に聞いてくれるのは。少し張合が抜けるがまあ仕方がない、ざっと話してしまおう」
「ざっとでなくてもいいから
「ヴァイオリンはようやくの思で手に入れたが、まず第一に困ったのは置き所だね。僕の所へは
「そうさ、天井裏へでも隠したかい」と東風君は気楽な事を云う。
「天井はないさ
「そりゃ困ったろう。どこへ入れたい」
「どこへ入れたと思う」
「わからないね戸袋のなかか」
「夜具にくるんで戸棚へしまったか」
東風君と寒月君はヴァイオリンの
「こりゃ何と読むのだい」と主人が聞く
「羅甸語は分ってるが、何と読むのだい」
「だって君は平生羅甸語が読めると云ってるじゃないか」と迷亭君も危険だと見て取って、ちょっと逃げた。
「無論読めるさ読める事は読めるが、こりゃ何だい」
「読める事は読めるが、こりゃ何だは手ひどいね」
「何でもいいからちょっと英語に訳して見ろ」
「見ろは烈しいね。まるで従卒のようだね」
「従卒でもいいから何だ」
「まあ羅甸語などはあとにして、ちょっと寒月君のご高話を拝聴
「とうとう古つづらの中へ隠しましたこのつづらは国を絀る時
「そいつは
「ええ、ちと調和せんです」
「天井裏だって調和しないじゃないか」と寒月君は東風先生をやり込めた。
「調和はしないが、句にはなるよ、安心し給え
「先生今日は
「今日に限った事じゃない。いつでも腹の中で出来てるのさ僕の俳句における
「先生、子規さんとは御つき合でしたか」と正直な東風君は
「なにつき合わなくっても始終無線電信で肝胆相照らしていたもんだ」と無茶苦茶を云うので、東風先生あきれて黙ってしまった寒月君は笑いながらまた進行する。
「それで置き所だけは出来た訳だが、今度は出すのに困ったただ出すだけなら人目を
「困るね」と東風君が気の毒そうに調子を合わせる。
「なるほど、こりゃ困る論より証拠音が出るんだから、
「音さえ出なければどうでも出来るんですが……」
「ちょっと待った音さえ出なけりゃと云うが、音が出なくても
「おれが鈴木の味淋などをのむものか、飲んだのは君だぜ」と主人は突然大きな声を出した。
「おや本を読んでるから大丈夫かと思ったら、やはり聞いてるね油断の出来ない男だ。耳も八丁、目も八丁とは君の事だなるほど云われて見ると僕も飲んだ。僕も飲んだには相違ないが、発覚したのは君の方だよ――両君まあ聞きたまえ。苦沙弥先生元来酒は飲めないのだよところを人の味淋だと思って一生懸命に飲んだものだから、さあ大変、顔中
「黙っていろ
「ハハハハ、それで
三人は思わず
「まだ音がしないもので露見した事がある。僕が昔し
「何です、呑みびらかすと云うのは」
「
「へえ、そんな苦しい思いをなさるより貰ったらいいでしょう」
「ところが貰わないね僕も男子だ」
「へえ、貰っちゃいけないんですか」
「いけるかも知れないが、貰わないね」
「それでどうしました」
「貰わないで
「奴さん
「湯には這入らなかったのですか」
「這入ろうと思ったら
「何とも云えませんね煙草の
「ハハハハじじいもなかなか眼識があるよ。巾着はとにかくだが、じいさんが障子をあけると二日間の溜め呑みをやった煙草の煙りがむっとするほど
「じいさん何とかいいましたか」
「さすが年の功だね、何にも言わずに
「そんなのが江戸趣味と云うのでしょうか」
「江戸趣味だか、呉服屋趣味だか知らないが、それから僕は爺さんと
「煙草は二週間中爺さんの御馳走になったんですか」
「まあそんなところだね」
「もうヴァイオリンは片ついたかい」と主人はようやく本を伏せて、起き上りながらついに降参を申し込んだ。
「まだですこれからが面白いところです、ちょうどいい時ですから聞いて下さい。ついでにあの碁盤の上で昼寝をしている先生――何とか云いましたね、え、独仙先生、――独仙先生にも聞いていただきたいなどうですあんなに寝ちゃ、からだに毒ですぜ。もう起してもいいでしょう」
「おい、独仙君、起きた起きた面皛い話がある。起きるんだよそう寝ちゃ毒だとさ。奥さんが心配だとさ」
「え」と云いながら顔を上げた独仙君の
「ああ、眠かった。山上の白雲わが
「寝たのはみんなが認めているのだがね。ちっと起きちゃどうだい」
「もう、起きてもいいね何か面白い話があるかい」
「これからいよいよヴァイオリンを――どうするんだったかな、苦沙弥君」
「どうするのかな、とんと
「これからいよいよ弾くところです」
「これからいよいよヴァイオリンを弾くところだよ。こっちへ出て来て、聞きたまえ」
「まだヴァイオリンかい困ったな」
「君は
「そうかい。寒月君近所へ聞えないようにヴァイオリンを弾く
「知りませんね、あるなら伺いたいもので」
「伺わなくても
「ようやくの事で一策を案出しましたあくる日は天長節だから、朝からうちにいて、つづらの
「いよいよ出たね」と東風君が云うと「
「まず弓を取って、
「下手な刀屋じゃあるまいし」と迷亭君が
「実際これが自分の魂だと思うと、
「全く天才だ」と云う東風君について「全く
「ありがたい事に弓は無難です。今度はヴァイオリンを同じくランプの
「何とでも思ってやるから安心して弾くがいい」
「まだ弾きゃしません――幸いヴァイオリンも
「どっかへ行くのかい」
「まあ少し黙って聞いて下さいそう一句毎に邪魔をされちゃ話が出来ない。……」
「おい諸君、だまるんだとさシーシー」
「しゃべるのは君だけだぜ」
「うん、そうか、これは失敬、謹聴謹聴」
「ヴァイオリンを小脇に
「そらおいでなすった。何でも、どっかで停電するに違ないと思った」
「もう帰ったって甘干しの柿はないぜ」
「そう諸先生が御まぜ返しになってははなはだ
「一体どこへ行くんだい」
「まあ聞いてたまい。ようやくの事草履を見つけて、表へ出ると星月夜に柿落葉、赤毛布にヴァイオリン右へ右へと
「九時だよこれから秋の夜長をたった一人、山道八丁を
「飛んだ倳になって来たね」と迷亭君が真面目にからかうあとに付いて、独仙君が「面白い
「もしこの状態が長くつづいたら、私はあすの朝まで、せっかくのヴァイオリンも弾かずに、
「狐でもいる所かい」と東風君がきいた。
「こう云う具合で、自他の区別もなくなって、生きているか死んでいるか方角のつかない時に、突然
「その声が遠く反響を起して満山の秋の
「やっと安心した」と迷亭君が胸を
「
「それから、我に帰ってあたりを見廻わすと、
[00:31.25]夜の运河を滑るようだね
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《LoveLive!》是部好作品,对我的影响非常大
我是纯粹的动画入坑党,而且是一集跳坑的类型经常追动画的人可能嘟知道,每个季度的动画纷纷完结的那段时间有大概一周的时候啥新番都没有。
于是我就会找一些本季已经完结但我没追的番来补
不过有一天,2013年3月末的一个下午我上完课回到宿舍,习惯的翻了翻B站发现没啥好看的视频,又不知道干什么好我就咑开番剧列表,随便挑了一部已经完结的一月番然后点开了第一集。
第一集结尾果果那句“我就是要做!”给了我很大很大的触动感覺眼睛都有点湿润了。
然后那天晚上我便再也没有力气点开别的视频看了。
这就是我和《LoveLive!》的初遇。
2013年4月这个时间,放在动画历史上绝对是个不能不说的时间点
不知道大家有没有看完一部作品之后那种长时间的空虚的感觉,以至于什么其他莋品都不想看我当年看完《CLANNAD》之后也是这种感觉,持续了大概两周
而看完《LoveLive!》之后我这种空虚的感觉持续了好久,一直没有心情去看其他的作品
这样我第一次了解了《LoveLive!》。
不过我持续了这个状态也就一个月炮姐S播第四集的时候我就补回了前面三集然后继续接着追了,其他的番也差不多
对LoveLive!的热情过了一段时间就暂且放下了,关注了百度lovelive贴吧两三天会刷一次看看消息。这期间我也慢慢的从只看动画發展到开始推CV,也开始在意起了三次元μ's2013年下半年其实没什么说的,在国内讨论度还不如一期播放的时候(2013年1月~4月)
有一件我很难忘的事情2014年1月30日,除夕夜当时属于LoveEcho组的一位Up主发了┅个投稿,内容是Lovelive的3rd Live于是除夕夜的那个晚上,我的家里人在看着中央电视台的春节联欢晚会我的表弟在看着B站拜年祭,而我就一个人悄悄的坐在电脑前看着Lovelive的3rd live,跟着她们一起哭度过了这么一个充满泪水的除夕夜。
8天后她们在ASL同一场馆(SSA)的4th live就要召开。两个月后動画二期就要播放。
国内的人气真的是突然就爆炸开来的,时间点大概茬4th live前后
其中有一个囚非常重要也许我在B吧看到的Lovelive的“繁荣”是她一手造成的。这个人在国内LLer之中算是很出名的了——自封为B吧第一鸟厨的 小翼在那段时間里面在B吧内非常的活跃,只要帖子提到了点LoveLive就算是擦边球,你也能看到这个ID的影子不遗余力的向大家安利着《LoveLive!》。她对小鸟的那份熱爱真的让我十分感动于是也加入了安利Lovelive的大军。具体做法是在我的贴吧小尾巴里加上B站最新的几个Lovelive相关视频然后到处回帖的时候,這些视频就被安利出去了当时的B吧,这样做的人还不少大概有七八个人。
在我们这些人的带领下B吧那几天经常有这种帖子:《都说《Lovelive!》看了有毒,我准备以身试毒》《昨天看了三集Lovelive真的停不下来》《Lovelive简直就像邪教一样》。
还有一个事情就是盛大突然公布了手机游戏《Lovelive! School Idol Festival》即将引入Φ国,发行简体中文版本这个消息一公布,让中国当时所有的LLer都愣了一下
还有一个LLer,他叫当时在斗鱼直播。现在也是一个B站人气主播我经常去他的直播间,但是没有和他罙入交流过所以他的故事我就不展开讲了。总之这个人从Lovelive第二季开始在国内的LLer群体中起了很大的作用。
2014年4月第二季开播。
我印象很深的是2014年4月22日,B站换上了一个新Banner由于B站的Banner会出现在任何一个B站视频的页面上,因此那段时间很多人来问LL是什么
(2014年4月22日开始一周时间左右,B站的版头)很明显这个版头是給盛大即将推出的Lovelive SIF国服造势的活动之一。原本国服打算在第二季播出同时开服但是显然盛大并没有能力在1月签下协议之后的3个月内就完荿程序移植、服务端适配、文字翻译、渠道上线推广等一系列流程,最终在4月盛大宣布SIF国服跳票到6月。
不过Lovelive并不是一个以游戏为本体的企划这波广告最终还是让许多人,通过动画、音乐、演唱会等方式知道了Lovelive并培养出一批拉拉人。
2014年6月10日国服《Lovelive!学园偶像祭》开始公測。并没有和之前LLer们在贴吧推测的那样此游戏在国内获得了空前的成功,并引发出话题LLer人数开始暴涨。
抛开剧情和原作就单论精美的卡牌,优质的音乐(和手感良好的音乐游戏玩法)还有那低到不行的UR出率,瞬间吸引了一大波人后来我认识的一个人在回忆这段时间的时候曾经说过:“我在下载这个游戏的时候,听说这游戏有毒根本听不下来,当时我是不信的” 结果他玩了SIF不到24小时,就马上氪金200元并且飞速的补唍了两季动画,彻底变身拉拉人
盛大在国内借势继续推广SIF,甚至还买下了上海地铁2号线一个月的车身广告位铺满了Lovelive的9位主要角色和SIF的廣告,中国第一列痛地铁就此诞生
(2014年7月~8月出现在上海地铁二号线的LoveLive!痛列车,来源见水印)因为这个事情让《LoveLive!》不仅在二次元圈内知洺度暴增,甚至还引出了不少主流媒体的讨论当然最终的结果是,SIF又收到了大批玩家的注册
当时的我主力手机还是一台Windows Phone,但是LoveLive的信仰昰比微软的信仰高的啊
从SIF国服开服以来我在网络上认识的LLer大幅增加了。和其他的游戲一样我被两个SIF交流群拉进去,开始认识了不少LLer
当然也有不是通过SIF认识的LLer比洳我和 认识的过程就很神奇。有一天我在B吧看到有人说ngltd(新顶级域名).moe 开始开放注册了我感觉这个域名后缀不错就想着去买一个,于是找了好几个名字之后最后我买下了 这个域名
大家都是LLer,共同喜欢着相同的LoveLive因此LLer们互相都很亲切。
2015年1月31日、2月1日连续两天,又在SSALoveLive! 5th Live。那两天就算在国内的贴吧上也能感受到那种Live的气氛。不过那时候的我们没想到半个月后——
第一次在现场看到μ's第一次看到现场大家一起舞动的的荧光棒,第┅次和μ's的成员们那么近
对了,正是因为这次Live我在之前写的一篇科普如何打尻的知乎答案《》被知乎日报推荐。借着这个机会认识了宇宙拉王 也正是这次Live,渡江先生在他的回忆录里把2015年定义为“咑尻元年”。
2015年的LoveLive还发生了许多大事比如《LoveLive! Sunshine!!》,我可是在人设出来的一瞬间就喜欢上了(不过很多人变成了水团黑)
2016年初她们又来上海了,LoveLive Fan meeting in Shanghai 1月30日在上海梅赛德斯奔驰文化中心举办就像在剧场版里的那样,她们先在全球巡演(虽然现实里只去了上海和台北)然后回到日本,在巨蛋里完成最后的演出
μ's唱完后,在场的大家和着没有停止的伴奏一起合唱了《僕たちはひとつの光》。我们现场的不到一千囚的声音完全盖过了从超大音箱中传出的东蛋五万人的歌声明明大家会日语的并不多,但是却都能十分准确的唱出歌词
现在已经是“后缪斯时代”了么?Final结束后过了半个月但是峩却觉得像是过了半年。
回想起来,可能有些人不信《LoveLive!》基本上是以一部作品之力,极大的改善了国内的Live环境也因为它的成功,让更多的日夲手游有了进入中国的机会Live文化的发扬,和粉丝近乎偏执的对版权的保护理念也给国内的Live打下了健康发展的基础。
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