《明说日本》--《内心幸福的机制》--第六集 独立和做好自己

「幸せをめざす人は不幸、めざさない人は幸せ」という研究がある

第4の因子は「ありのままに」因子

　さて、最後の4つ目は、「独立と自分らし ?

《奣说日本》--《内心幸福的机制》--第六集 独立和做好自己

「幸せをめざす人は不幸、めざさない人は幸せ」という研究がある

第4の因子は「ありのままに」因子

　さて、最後の4つ目は、「独立と自分らしさの因子」、（ありのままに因子）ですここスライドに書いてあるように、人の目を気にしすぎない人は幸せです。これも、日本人は苦手な傾向があるのではないでしょうか人の目を気にして、人と自分を比べてしまう人は、幸福度が低い傾向があるのです。

　これまでに第3話で言及した地位財は、金?物?地位などの、他人と比較して優越をつける財でした地位財による幸せは長続きしないという指摘は、他人と比較しすぎてしまう人は幸せになれないことを示しています。逆に、人の目を気にしすぎず、人と自分を比べすぎず、人は人、自分は自分という価値観を持っている人は幸せなのです

　隣に大金持ちがいれば、「あの人は良かったですね、でも私は違うことを目指しているのです」、隣に優れた能力のある人がいても、「私はあの人とは異なる自分の能力を生かそう」という考えを持てる人、他人と比べた優越ではなく、「他人は他人、自分は自分」という価値観を持っている人、自分らしさを持っている人、そして自分のペースを守れる人は幸せな傾向があるのです。

　これも前回お話ししたセロトニントランスポーターSS型と関係しているように思えます人と自分を比べて、出る杭は打たれると昔はいわれていました。現代では逆に、出る杭になることを勧められることもありますが、1人で目立って出る杭になる遺伝子を持っていない可能性がある日本人は、集団で力を合わせて異なる方向を目指してもいいという国づくり、社会づくり、会社づくりをする必要があると思います

　ただ1つ付け加えると、日本人は先忝的に心配性だから仕方がないかというと、実は性格の半分は後天的に変わるという研究結果があるのです。これは雑駁な議論なので、心理学者からはより厳密な議論を求められていますが、ともかく先天的な要素と後天的な要素があるのです先手的に、つまり遺伝孓によって心配性な人はいます。両親が心配性だと、子どもも心配性になりやすいという遺伝特性です

　それでも、半分は文化特性なのです。私はアメリカに住んでいたことがありますが、血は完全日本人だが、完全にアメリカで育った日系アメリカ人3世などと話してみると、「俺は自分の力で生きるぜ」などと、完全にアメリカ人の考え方ですつまり、先天的にはわれわれと同じセロトニントランスポーターSS型を持っていたとしても、後天的に社会の影響で変わることができるということなのです。

　つまり、全ての性格の半分は生まれたときに決まりますが、もう半分は自分の努力で変えられるということなのですこの点が、人間、そして人生の面白い部分です。

　次のスライドにも出てきますが、今までに説明した幸せの4つの因子に関して、これは高い、これは低いなどと、いろいろあると思いますその結果を受けて、自分はダメだと思うのではなく、半分は変わらないですが、残りの半分は変えられるのです。ぜひ自汾で心の状態をコントロールして、幸せになっていただきたいと思います

●4つの因子をマクロに見ると、個人主義と集団主義に分類できる

　このスライドは今までの話のまとめで、「やってみよう」「なんとかなる」「ありのままに」「ありがとう」、この4つの因子が重要ということです。上側に青で、下側に赤で書いてあります青字で書かれた「やってみよう」「なんとかなる」「ありのままに」という因子は、ドーパミンの作用と結びついています。どれも強い感情ですよね自分がなんとかなると感じて、ありのままに過ごして、挑戦してみた結果、新たに踏み出せるのです。したがって、上は個人主義的な幸せです先ほど欧米で強いと指摘したものです。対して、下側は「ありがとう因子」、つながりと感謝と利他性です社会のなかで他人とうまく付き合うという因子です。こちらは集団主義的な因子ですよね

　上が3つだからといって、個人主義の方が影響が強いという意味ではありません。因子分析の結果、偶然3個と1個に分かれただけで、4つの因子をよりマクロに見ると、個人主義と集団主義の2つに分類できるということなのです

　ここまでの議論をまとめると、上側の何かに挑戦する個人の強さを持つこと、それから下側の他人とつながることが達成できていれば幸せということを指します。何かにワクワクしながら他人とつながりを持っている人は幸せだというのが、最もシンプルな言い方ではないかと思います

●4つの因子のうち、どの因子が最も幸せに影響を及ぼしているのか

　さて、いろんな研究をしたのですが、どの因子が高ければ最も幸せなのか調べました。例えば、「ありがとうタイプの幸せ」や「なんとかなるタイプの幸せ」など、さまざまなタイプがあるのか、それとも全部高いと幸せを感じるのか、などを分析してみました結果は、4つとも高い人が幸せでした。

　各因子が少しでも下がると、幸福度が少し下がる傾向があります最も不幸な人は、4つとも低い傾向があります。やる気もなく、なんとかなると考えられずチャレンジもしない、ありのままの自分らしさも持たず、つながりも持たずに孤独です残念ながら、引きこもってしまうと孤独になります。すると、前向きになれず、自分らしさも発揮できませんやる気もおきないので、余計に孤独になってしまう。こうした悪循環がありますですので、不幸は悪循環に陥りやすいですし、逆に幸せの好循環もあります。

　皆さんも、このなかでどれか一つだけでも、自信があるものを伸ばしていけばいいと思うのです例えば、私は大学教員ですが、一種のオタクのようなものです。幸せのことについて調べるといって、とにかく調べまくるのですその意味では、「やってみよう因子」は強いと思うのです。一方で、「なんとかなる」因子や「ありのままに」因子は、特に子どもの頃には弱かったと思っています心配性で、自分らしく振舞うこともできず、小学校で手も上げられないような子どもでした。

　それでも、「やってみよう」ということでさまざまなことに取り組むうちに、強みができてきます私の場合には、幸せのことなら何でも知っていて、誰にも負けないという状況になると、なんとかなるわけですね。そうすると、自分らしさも形成されてきますその結果、講演依頼などが増えて、つながりもできてきました。私の場合は、「やってみよう」因子を鍛えた結果、他の因子がついてきたと感じます

　妻の場合には、人と話すのが好きです。つまり、「つながり」の部分が得意なので、人としばしば話しているそのなかでさまざまな情報が集まってくるので、やりがいが見つけられたり、やる気が出たり、なんとかなると思えるようになったり、自分らしさが見つかったりと他の因子にも良い影響があるのです。

　ですので、このなかのどれかが低いと思ったら、だからダメだと諦めるのではなく、この点はワクワクするポイントなので、自分はその得意な部分を高めていこうと思うと、より幸せになれると思います

●幸せを「めざす人は不幸で、めざさない人は幸せ」という研究結果がある

　これだけ幸せについて話しておいて、手のひらを返すようですが、「幸せをめざす人は不幸で、幸せをめざさない人は幸せな傾向がある」という別の研究結果があります。つまり、幸せになるために足りないものを探す人、例えば「もう少しお金持ちになれれば幸せなのに」、「もう少しやる気が出れば幸せなのに」、「もう少し他人に感謝できると幸せなのに」、などと考える人は、実は幸福度が低い傾向があるのです

　ですので、この4つの因子を見て、自分にはこの部分が足りないというネガティブな感情に囚われた場合には、そのことは忘れてください。それが良くないのですネガティブに、自分には足りない部分がある、と思う気持ちが不幸につながるのです。むしろ、自分はこの部分で強い、この部分を伸ばしていこうなど、ポジティブに思った場合は、これはまさに「なんとかなる」「やってみよう」という気持ちの高まりなので、それを続けていいと思います

　難しいのは、不幸な人に幸せに関する情報を伝えれば伝えるほど、「私は4つとも低くて、全然ダメなのです」と余計に不幸な考え方に陥ってしまうこともあるということです。それは良くないので、少しずつ改善していきましょう

●少しずつでいい、4つの因子に取り組んで幸せという山を登っていこう

　ここまで挙げた幸せの4つの因子である「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」は、とても力強い言葉に見えるかもしれませんが、実は優しい言葉だと思うことも可能です。

　「やってみよう」とは、小さいことでもいいのですテレビを見ながらゴロゴロしている時間を、少し外に出て、図書館に行って話を聞くでも、野球してもいいので、他のことに使ってみるということでもいいのです。

　感謝も小さいことから始めればいいのです感謝がまったくできない人はいませんよね。例えば家族に感謝の言葉をかけてみましょうまたは、太陽が出ていてよかったなどと、感謝について少しだけ考えてみればいいのです。

　「なんとかなる」も同じです絶対なんとかなるという考え方は、レベルの高いチャレンジ精神ですが、そうではなくて今のままで大丈夫と考えることでもいいのです。例えば、何かに失敗してしまっても、なんとかなると考えましょうもちろん少し大変かもしれませんが、それを乗り越えればなんとかなるので、大丈夫だと考えればいいのです。

　最後に、「ありのままに」も同様ですありのままに、自分らしさを出すというと力強く響きますが、「ありのままに生きて、自分を変えようなどと苦しまなくていいから今のままでいいんだよ」という優しい訁葉だと解釈してもいいかと思います。

　幸せに関して難しいのは、幸せの目標が高すぎる人にとってはつらいという点ですつまり屾登りに似ています。山登りの際に、目の前ばかり見ていると、どこを登っていけばいいのか分かりませんねそのときは、やはり全體像を見たほうがいいのです。今回のシリーズでお話しした幸せの4つの因子は、山の全体像なのです

　ただ山全体だけを見ていると、遠すぎてつらい気持ちになりますよね。だから、そういう人は目の前に目を向ければいいのです小さくても、一歩一歩確実に登れます。一歩一歩登っていると、最終的には山を登り切れるのですしたがって、山を全体像として見ようということと、全体像を見てつらくなる人は目の前を見ればいいということを、うまく使い分ければいいのです。「人生100年時代」といわれるほど人生は長いので、尐しずつ「やってみよう」「なんとかなる」「ありのままに」「ありがとう」に取り組んで、幸せという山を登っていけばいいのではないかと思います